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我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

■我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか


駅でゴーギャン展の看板を見かけました。

ゴーギャン

ゴーギャンが晩年に遺言書として描いたとも言われているこの作品のタイトル「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」という、画家自身の問いについて、心理占星術的に考察してみたいと思います。


出生データは、占星術のソフトにはいっていたデータ、1848年6月6日10:00AM パリにて誕生、というデータを使いました。


ゴーギャンの出生図内で、1度以下のオーブを持つハードアスペクト(強い内的葛藤を示します)が2つ出ていました。


ひとつは、木星(蟹座、11ハウス)と天王星(牡羊座、9ハウス)が0.16度のオーブで90度(スクエア)。90度ちょうどから、0.16度しか差がありません。


もうひとつは、金星(双子座、10ハウス)と海王星(魚座、7ハウス)が、0.26度のオーブで90度(スクエア)。こちらの差が0.26度ですから、ほぼ90度ちょうどの関係です。


さて、90度の葛藤は、なんからの行動を起こす衝動にかられるような心理状態が起こりますが、ハードアスペクトの名のとおり、難しさがつきまといます。


ここでは、最も強い葛藤を示す木星と天王星について考察してみます。



■ゴーギャンの木星

木星は広い知識や見聞を得ようとする欲求、哲学や宗教的など普遍的な意味での真理や正義を求める欲求、拡大、発展を指向する欲求を象徴すると考えられています。広い知識や見聞、拡大などから、海外など遠方への旅行によく結びつけられます。また、木星の影響が強く出ている人は、一カ所にとどまっていたり、縛り付けられるような生き方を好まない傾向があります。


ゴーキャンの場合、木星が家庭や母親など自分が安心できる場所、もの、人を象徴する蟹座にありますから、この旅する画家は、旅の中、異国の地に自分の居場所を求めていたのかもしれません。また、この天体は11ハウスにありますから、この欲求がなんからの利他性、博愛主義、自分と価値や理想を同じくする人々との関わりと関わっていたとも想定できます。


11ハウスについては、ゴーギャンは画家になる前、株式仲買商として成功しており、印象派の画家との交遊関係から絵を書き始めるようになったとのことですが、この画家たちとの交流がゴーギャンの木星を活性化したといえるかもしれません。



■ゴーギャンの天王星

さて次に天王星ですが、天王星は先の木星が位置していた11ハウスに関係する心理的欲求を象徴します。利他主義、博愛主義、進歩や革命への欲求、また、客観的にものを見る事などと関係しています。


天王星は牡羊座にありますので、この天王星の欲求は、牡羊座的な色合いを帯びた欲求になります。牡羊座が象徴するものは、行動を起こすこと、新しく何かを始めること、生き残ること、戦う事、自己主張することなどです。


また、天王星は先の木星と似たエネルギーを象徴する9ハウスにあります。ですから、天王星の欲求が旅や海外での生活と関わっている可能性があります。


ゴーギャンの人生に重ね合わせて読んでみると、自らの理想を求めて行動を起こし異国の土地に旅立った、という風に読む事もできます。



■木星と天王星の関係

まとめると、ゴーギャンの内にあった木星と天王星の葛藤は、
(1)自分の居場所を探して広く旅したい欲求と、
(2)自らの理想を求めて行動する欲求もしくは価値を共にする仲間求めて行動する欲求、
が葛藤していたと考えられます。

※ ゴーギャンは、楽園を求めてタヒチに旅立ったとよく言われますが、天王星を先ほどの理想、博愛主義的に読むとこのイメージに近くなります


上記の表現は葛藤としては少し分かりにくいかもしれませんが、ここにもう一つの要素が加わると少し分かりやすくなります。
長くなるので詳細説明は省きますが、この木星と天王星の90度の関係性は、自分が相手に受け入れられないかも知れない不安を抱えた(蟹座的恐れ)関係性になります。


つまり、自分の居場所、家庭のような場所、もしくは同じ価値観を持った仲間たちを強く求めて旅し、行動し続けたにも関わらず、常に本当に受け入れられているのか、多分受け入れられていないという不安や疑いの中で生きていたイメージが浮かび上がります。



■ゴッホとのエピソード

この心理状態をゴッホとのエピソードと関連づけて考察してみると、次のようなゴーギャンの心のストーリーが出てきます。


ゴーギャンがゴッホと暮らすようになったのは、ゴッホの弟のお金目当てであったと一般によく言われていますが、まんざらそれだけではなかったように思います。ゴッホの描く芸術家コミュニティという夢に引きつけれたところもあったのではないでしょうか。ただし、ゴーギャンは縛られるのがキライなのです。2人での生活は、おそらくゴーギャンには息がつまり、常に神経がイライラするようなものだったかもしれません。


また、ゴーギャンが常に「どこにいても自分は受け入れられていない」というような内的葛藤を抱えていたことを考えると、ゴッホとの関係もその内的葛藤の緊張感からぎくしゃくしてしまった、そして自ら壊すような行動にでてしまったとも考えられます。これは、牡羊座の天王星が否定的な方向に逆噴射してしまったようなエネルギーのあらわれ方です。



絵のタイトル、「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」はまさに、ゴーギャンがおそらく得る事の出来なかったであろう自分の居場所を探しもとめた人生を表しているようです。








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テーマ : こころ
ジャンル : 心と身体

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プロフィール

Key(ケイ)

Author:Key(ケイ)
認定心理カウンセラー
認定アストロカウンセラー
認定Tarot de Paris ファシリテーター
認定バッチフラワーレメディ プラクティショナー

「占いの窓」で、占い、カウンセリングを行なっています。

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